もうすぐ56才の親父の独り言

人生も終盤に差し掛かり過去を振り返りたくなって始めました
新婚時代
1975年 昭和50年

ホテルに入って、今日の喜びを確かめるように抱き合った。
嫁は涙を流していた。5年間の交際期間は嫁にとっても永かったの
だと思う。

僕は社会人になったばかりであったが、嫁は商業高校を卒業して
すぐに働いていたので、僕に裏切られるのを一番心配していたらし
い。

僕自身は、初めての彼女と結婚することにはそんなに抵抗なかった
が、働き始めてすぐに結婚してしまうと、本当の意味での独身時代を
楽しむことが出来ないだろうなとは思っていた。

しかし、新婚生活は最初から躓き始めた。
給料に惹かれて入社した不動産の販売会社は、朝から夜まで家庭
訪問の連続で、契約が取れなくても甘い顔を見せたのは3ヶ月くらい
で、ノルマに対する追求が徐々に厳しくなり、とうとう僕は辞めること
を決めた。

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嫁にも相談したが「いい会社を探したらいいやん」と言ってくれたので
新婚生活1ヶ月目には無職になっていた。

職探しの生活も辛かった。
嫁が出勤した後、新聞の求人欄を見てメモをとり電話してから面接に
行くのだが、営業職以外では希望に適うような会社は見つからなかっ
た。

嫁が帰ってきてからの二人の時間も段々嫁のイライラが感じれるよう
になり、楽しい雰囲気ではなくなって来た。

ある晩、とうとう嫁がキレた。
「なんとか仕事見つけてよ。私ばかりに負担掛けてどう思ってるの?」

僕は返す言葉もなく、思わず家を飛び出してしまった。僕の実家まで歩
いても10分位の距離なのだが、実家に顔を出すわけにも行かずブラブ
ラと近所を徘徊して、結局は家に戻った。

家はもちろん、家具から電気製品まですべて嫁が用意してくれて、自分
は体ひとつで何もしてあげていない不甲斐なさに、我ながら悔しかった。

嫁はもう布団に入って寝ていた。僕は横に滑り込んで謝った。
「ごめんね。なんとか早く働くから」
「私も言い過ぎてごめん」
二人で泣きながら抱き合っていた。

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不思議なことに、その次の日に新聞に載っていた会社に面接に行くと、す
んなりと採用が決まった。
ミシンの販売会社であった。

写真お借りしています↓
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今から思うと、無理な結婚だったと思う。男の生活基盤が出来ていない
状態での結婚は嫁に負担を掛けるばかりである。
5年の交際期間は決して短くなく、結婚が義務付けられているような交際
であったことが原因かもしれない。

プロポーズもしていない、結納も少ししか出来ない、挙式の費用もギリギリ
であった。

実は式後のホテルからの新婚旅行も伊豆に1泊するだけしか出来ないと
いう金欠状態であった。

冷や汗しかでない新婚生活のスタートだった。

2008/07/09 Wed | 日記 | コメント(0) |permalink
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